「セラミック」と聞くと一般的にお皿や衛生陶器(トイレ)等「白」をイメージすると思います。
しかしそれは、数あるセラミックの1種類にすぎません。切削工具に使われるセラミックは「5つ」も材種があるんですよ。

今回は、切削工具に使われるセラミック「5つ」の材種をご紹介します。

そもそもセラミックとは何でしょうか?

広い意味では金属もしくは非金属と酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)等が結合したものをセラミックと言い、それを焼き固めたものを切削工具として使用します。
切削工具に使われるセラミックはAl2O3を主成分とする「アルミナ系」と、Si3N4を主成分とする「窒化珪素系」の2種類に大きく分けられます。主成分に様々な添加物が加わることで、さらに細分化されます。

アルミナ系 Al2O3

1. 白セラ

アルミナ(Al2O3)が主成分のセラミックで、その色から白セラと呼ばれます。
実は、宝飾品のルビーやサファイアと同じ成分(Al2O3)なんですよ。
大きく違う点は、ルビー、サファイアが単結晶(1つの大きな塊の粒子)に対し、アルミナは多結晶(複数の粒子の集合体)である点です。アルミナは硬く、化学的に安定しています。その性質を活かし、鋳鉄の高速仕上げ加工で使われます。

2. 黒セラ

アルミナに炭化チタン(TiC)が添加されており、その色から黒セラと呼ばれます。
炭化チタンを添加することで白セラよりも高硬度となり、高温時でも熱による刃先の変形を抑制します。
その性質を活かし、HRC65程度までの高硬度材の高速仕上げ加工で使われます。

3. ウィスカー

アルミナに炭化ケイ素(SiC)が添加されたセラミックです。何故ウィスカ(whisker)と呼ばれるか知っていますか?
英和辞書を引くと「猫のひげ」とあります。実は、炭化ケイ素の針状形状が「猫のひげ」と似ているため、ウィスカ(セラミック)と呼ばれるようになりました。
炭化ケイ素同士が絡み合うことで、切削加工時の衝撃によるヒビ割れ(クラック)の進行を抑制し、欠けを防止します。また急激な温度変化に強い特長があります。その性質を活かし、耐熱合金加工に広く使われます。

窒化珪素系 Si3N4

1. 窒化珪素

窒化珪素(Si3N4)が主成分で、アルミナ系と違い、粒子が針状になっていることが特微です。
針状粒子が絡み合うことで、切削加工時の衝撃によるヒビ割れ(クラック)の進行を大幅に抑制でき、欠けを防止します。
その性質を活かし、鋳鉄の高速粗加工で使われます。

2. サイアロン

窒化珪素(Si3N4)にアルミニウム(Al)、酸素(O)が溶け込んだものです。構成元素の頭文字を取り、サイアロン(SiAlON)と呼びます。
サイアロンも窒化珪素と同様に粒子が針状になっています。針状粒子が絡み合うことで切削加工時の衝撃に耐えることができます。また、添加したアルミナ成分の効果で窒化珪素よりも耐熱性が向上し、高温特性に優れます。
その性質を活かし、耐熱合金の高速加工で使われます。

下記表は、セラミック切削工具の代表的な加工適用例をまとめたものです。

 


セラミック材質の種類、違い、特長を分かって頂けましたでしょうか。

セラミック切削工具は、加工可能な被削材に応じて使い分ける必要がありますが、超硬工具に比べ 「最大〜20倍」の高速加工が可能です。
それぞれの被削材に合ったセラミック切削工具を使い、生産性を向上させましょう

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